2026年下半期市場展望における投資アイデア:予測困難な世界で投資家が優先すべき3つの事項

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2027-07-30
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アンドリュー・シャープポール, APACソリューションズ・ディレクター
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主なポイント

  • 今年の市場は底堅く推移しているものの、上昇は、市場を牽引する一部の銘柄群により集中してきています。
  • マクロ環境の複雑化により、起こり得るシナリオの幅は拡大し、市場の牽引役もその地位がより不安定になる可能性があります。
  • 投資家は、リターンの源泉を明確にし、柔軟性を保ち、耐性を高め、ポートフォリオに対してより選別的なアプローチをとる必要があるかもしれません。

逆風となるニュースや出来事が続く中でも、リスク資産市場は今年も上昇基調を維持しています。しかし、上昇銘柄の範囲が狭まり、分野によって強弱が明確になり、市場を牽引する限られた銘柄への依存度が高まっています。この状況は、好調な業績とAI関連の楽観的見方が同時進行している銘柄などで大きな投資機会を生み出してきました。しかし、モメンタムの持続に大きく依存する中、市場はどこまで底堅さを持続できるのかという重要な問題が年後半に向けて問われています。

問題は、マクロ環境がより単純化せず、むしろ複雑化していることです。経済成長は底堅く推移していますが、インフレは依然として不安定です。政策の方向性は国によってばらつきがみられるようになり、債券市場は財政状況に対する関心を強めています。同時に、地政学的リスク、特に中東とエネルギー供給に関連するリスクが高まっています。市場は上昇を続ける可能性があるものの、今後起こりうるシナリオの範囲は幅広く、市場の牽引役が不安定になることも考えられます。

そのため、今は基本に立ち返るときだと我々は考えます。投資家は、これまでの経済状況下でポートフォリオを形成してきた前提に依拠するのではなく、より選別的にポートフォリオを設計する必要があるでしょう。すなわち、リターンの源泉を明確にし、状況の変化に適応できるようにし、分散のありかたについてより深く考える必要があります。それは、我々の考えでは、明確化、柔軟性、耐性の3つの実践的な優先事項に注力することを意味します。

明確化:リターンの源泉を明確にする

マクロ主導の構造的に不安定な市場ほど、大きなアクティブ・リスクをとることが困難になります。市場の牽引役は急速に変化し、これまでの関係性は信頼できなくなり、ニュースに左右される市場はより多くの振れ戻しリスクに直面する可能性があります。

このような状況下、株式に関して言えば、自らが取るエクスポージャーについて、より意図を持って見極めることが推奨されます。目的はアクティブ・リスクの排除ではありません。目指すのは、アクティブ・リスクを、意図しないマクロ要因やファクター、対ベンチマーク相対ポジションに沿ったものではなく、運用担当者のスキルや市場機会と整合したものにすることです。

実践面では何を意味するか:質(クオリティ)を重視することに変わりありませんが、これを規律ある方法で将来性のある市場セグメントを対象にして行います。アジアの高クオリティ株がその好例です。これらの銘柄は、質を犠牲にすることなく、今日の株式ユニバースの中でも有望な分野へのエクスポージャーを提供しています(図表1)。より意図を持って選別することにより、リスク・リターンのバランスをさらに最適化できる可能性があります。

Accessing growth and income while preserving quality

柔軟性:リスクと機会をより柔軟に管理

地政学的な不確実性が高まる中でも、結果的に市場の展開は一定の範囲内に収まっているように見えます。しかし当初2026年のコンセンサスであった「世界同時成長」と「企業収益の拡大」は、もはや基本シナリオとして据えることが難しくなっています(図表2)。

より不安定な世界では、機敏に動ける投資家が報われる可能性が高いと考えます。債券やマルチアセット戦略では、硬直性よりもローテーションがますます重要になりつつあり、大規模かつ静的な資産配分ですべてを解決しようとするよりも、状況の変化に応じて、セクターやクオリティ区分、デュレーション特性、資本構造内のセグメントの間を移動できる柔軟性の方が有効となる可能性があります。

Central bank policy: From cuts to constraints?

実践面では何を意味するか:投資機会の変化に応じて、クレジット、金利、クオリティの間で移動できるローテーション型債券戦略を検討。

耐性:分散化をより意図して実施

分散効果を予測しづらくなっている場合、耐性はより意図を持って構築しなければなりません。特にインフレ、地政学的要因、または政策ショックによって伝統的な分散投資の信頼性が低下している環境下では、経済状況ごとに異なる動きをするように設計されたエクスポージャーを追加する必要があります(図表3)。

こうした局面では、経済状況を意識した分散投資商品がより明確な役割を果たす可能性があります。ヘッジファンド戦略は、市場全体の方向性にそれほど依存することなく、差別化されたリターン要因を提供することができます。一方、インフレや供給ショック、地政学的ストレスが背景にある場合には、コモディティがより構造的な役割を果たす可能性があります。

Built for regimes: The role of diversification

実践面では何を意味するか:様々なショック環境でリターンの源泉を拡大し、ポートフォリオの耐久性を強化するため、流動性のあるオルタナティブ資産など、分散化商品の追加を検討。

より複雑な環境下では明確化、柔軟性、耐性が必要となる

現在の状況は、新たな問題を市場に問いかけているだけのものではありません。投資環境そのものが変化しているということです。経済成長は引き続き重要であり、インフレも依然として重要です。地政学的要因とAIも重要です。しかし、これらの重要性は、それぞれの相互作用を通じて、また、これらによる政策や分散化、市場結果の分布の再形成を通じて高まりつつあります。

景気サイクルの次の段階では、単純な前提が報われる可能性は低く、明確化、柔軟性、耐性を備えたポートフォリオが報われる可能性の方が高いと考えられます

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