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日本版スチュワードシップ・コード

はじめに

ウエリントン・マネージメント・グループは、世界中の機関投資家顧客のために資産を運用しています。私たちは資産運用に特化し、あらゆる資源を駆使してお客様のニーズを満たすことに専念しています。

私たちは、お客様のポートフォリオで保有する株式の長期的な価値を最大化すると考える投資判断に資することを目的として、投資先企業の経営陣とのエンゲージメント(目的を持った対話)やお客様に代わって議決権行使を行います。本文書は、日本版スチュワードシップ・コードに定められた各基本原則の実施方針を定めています。私たちは、日本版スチュワードシップ・コードにグローバルで取り組んでおり、あらゆる資産クラスの運用に幅広く取り入れ、適用する場合には適切な方法でこれを行います。本方針書または私たちの取り組みに関する全般的なご照会は、私たちのESG(環境、社会、ガバナンス)調査チーム(WellingtonJapanESGInquiry@wellington.com)までお問い合わせ下さい。

原則 1

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

私たちは、「エンゲージメントに関する方針書」を策定し、ウェブサイトに掲載しています。ウエリントン・マネージメント・グループが独自のファンダメンタルズ調査を行ってきた長い歴史の中で、ESGおよびサステナビリティ(持続可能性)を含む様々な問題に関し、投資先企業の経営陣と直接行うエンゲージメントは、常に投資プロセスの中核をなしてきました。私たちは、企業の経営陣との直接またはオンラインの面談や、当該企業の仕入先、顧客、競合他社への接触などを通じて企業調査を行っています。ウエリントン・マネージメント・グループは、毎年、世界中の企業の経営陣と1万回以上の面談を行います。ポートフォリオ・マネジャー、産業アナリストおよびESGアナリストは、すべて企業との継続的な対話に参加しています。この継続的な対話を維持することは、私たちがお客様のために投資家としての責任を果たす上で、中心に位置付けられます。投資先企業の経営陣との対話やお客様のために議決権行使を行うなどのスチュワードシップ活動の目的は、私たちがお客様のポートフォリオで保有する株式の長期的な価値を最大化すると考える投資判断に資することです。

私たちは、アナリストとポートフォリオ・マネジャーがスチュワードシップ責任を果たすように支援するため、ESGの専門家で構成される専任の調査チームを設置しています。当ESG調査チームは、中央投資調査部門(central investment research function)に属しており、企業やセクターに固有のESG要因を調査し、その分析を提供するほか、ESGの話題に関して投資先企業の経営陣と直接対話を行います。同チームは、年間5,000回以上の株主総会で議案の分析と議決権行使を行うと同時に、ポートフォリオ・マネジャーと共にポートフォリオをレビューし、ESGに関するリスクと投資機会が最も大きい保有銘柄を特定します。

私たちが投資先企業と対話する話題の例として以下が挙げられます。

  1. 気候変動:世界的な気候変動は、規制の強化、極端な天候および食料や水不足による影響を受けやすい産業を始めとする多くの産業において、長期的に重大なリスクを企業にもたらします。ESG調査チームは、投資先企業が気候に関連した事象から影響を受ける度合を計測し、この話題に関する経営陣の認識を評価し、そのリスク管理方法を評価するため、当該企業と対話します。
  2. サプライチェーンの管理:サプライチェーンの問題は、業務を中断し、ブランドを傷つける原因となることがあり、いずれも企業の利益に影響を及ぼすことがあります。ESG調査チームは、サプライチェーンに関するリスクを適切に評価するため、投資先企業の経営陣と対話します。当該リスクとして、労働者のストライキ、製品の質または安全性の問題、データ保護に対する違反、自然災害および地政学上の不確実性などが挙げられます。
  3. 役員報酬:私たちは、実績報酬という考え方に強く賛同しており、企業の経営陣は、企業の長期的な業績を直接左右する明確な基準に従って報酬を受けるべきであると考えています。役員報酬は、投資先企業との対話において最も頻繁に扱う話題の1つであり、私たちは、企業から報酬制度の改善に関する相談を受けて、経営陣と1年に数回面談を行うことがあります。

私たちは、ポートフォリオ運用チームの集合体として組織されています。各運用チームは、それぞれ独自の投資哲学や運用手法、想定投資期間を有し、「ハウス・ビュー」(会社としての統一見解)はありません。この体制の下、各ポートフォリオ運用チームは、それぞれ独自の運用手法を発展させており、そのなかで、ESGおよびサステナビリティ(持続可能性)要因が企業の長期的な成功および投資リターンに影響を及ぼし得ると考える限りにおいて、ESG要因を調査および意思決定プロセスに取り入れています。ESG要因は、投資テーマまたは特定の株式の保有比率に加え、議決権行使および投資先企業とのエンゲージメントに反映されることがあります。各ポートフォリオ運用チームは、お客様の受託者として行動するものの、投資哲学とプロセスが運用チームにより異なることは、ESGおよびサステナビリティ(持続可能性)要因を投資の意思決定プロセスに取り入れる重要性が運用手法により異なることを意味します。

原則 2

機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

私たちは、受託者としてお客様の利益を第一とし、議決権の行使やエンゲージメントから発生する問題も含め、利益相反の回避に努めています。コーポレート・ガバナンス問題に関連する利益相反の管理方針および手順は、「議決権行使に関する方針書 」(以下「方針書」)および「議決権行使ガイドライン 」(以下「ガイドライン」)に定められています。

スチュワードシップに関連して利益相反が生じる可能性は、完全に回避できるものではないものの、私たちの多様な顧客基盤や部門間での権限の分担により概ね軽減されていると考えます。私たちは、利益相反が生じた場合に、これを合理的に管理すると考える方針および手順を策定し、実施して参りました。インベストメント・スチュワードシップ・コミッティは毎年、企業が私たちの重要な顧客、貸し手またはサービス提供会社であるか否かを含め、議決権の行使や投資先企業とのエンゲージメントに関連する重大な利益相反を特定するための基準を策定・レビューすると同時に、議決権行使プロセスに携わる者に当該基準を周知させています(「方針書 」参照)。さらに、インベストメント・スチュワードシップ・コミッティは、利益相反が疑われる事項に関し、それが既定の重大性の基準を満たしていなくても、ESG調査チームに連絡するよう全ての職員に徹底しています。

投資先企業から受領した議案が上記の基準に照らして利益相反に該当すると判断される場合、ESG調査チームが当該議案をレビューし、関連する「ガイドライン 」および運用者から得た情報に基づき議決権行使の推奨を行います。ESG調査チームの推奨は、更にレビューするためインベストメント・スチュワードシップ・コミッティに属する2名のオンブズマンに送られ、オンブズマンが議決権行使の最終方針を指示します。利益相反への対応および議決権の行使方針に関するプロセスは、文書化され、保管されます。

重要な点として、経営陣を支持する議決権行使や外部の議決権行使サービス提供会社の推奨に従った議決権行使を自動的に行うことはありません。私たちは、外部のサービス提供会社に議決権行使に関連する事務処理を委託していますが、自社独自の「方針書 」および「ガイドライン 」に従って、議決権行使を行います。投資先企業の業績に財務面または戦略面で影響を及ぼしうる議案は、ESG調査チームおよび運用チームが分析し、各ポートフォリオ・マネジャーは、お客様のポートフォリオで保有する株式の長期的な価値を最大化する目的で、各議案を検討し、議決権を行使します。

さらに、「ハウス・ボート(全社的な統一行使義務)」はありません。私たちの議決権行使体制では、同じ株式につき異なる議決権行使を行うことが認められています。私たちは、ポートフォリオ運用チームの集合体として組織されています。各運用チームは、それぞれ独自の投資哲学や運用手法、想定投資期間を有します。この体制の下、同じ株式を保有する各ポートフォリオ・マネジャーは、議決権行使に関しそれぞれのお客様のために異なる結論に至ることがあります。

潜在的な利益相反は、議決権行使に優先して考慮されます。私たちの倫理規程は、ウエリントン・マネージメント・グループに所属する世界中の役職員に適用されます。同規程は、私たちが役職員に求める行為基準を定めると同時に、個人的取引や贈答・接待などの行動に一定の制約を設けています。個人的取引から生じる場合を含め、利益相反に関する私たちの管理方法の詳細は、「Our Business and Practices 」に掲載されています。

原則 3

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

前述のとおり、ウエリントン・マネージメント・グループには、独自のファンダメンタルズ調査を長期にわたり行ってきた歴史があります。投資先企業のモニタリングやESGおよびサステナビリティ(持続可能性)要因を含む多様な話題に関して当該企業の経営陣と直接行うエンゲージメントは、常に投資プロセスの中核をなしてきました。私たちは、投資先企業の経営陣との直接またはオンラインの面談や、当該企業の仕入先、顧客、競合他社への接触などを通じて企業調査を行っています。ウエリントン・マネージメント・グループは、毎年、世界中の企業の経営陣と1万回以上の面談を行います。ポートフォリオ・マネジャー、産業アナリストおよびESGアナリストは、いずれも企業との継続的な対話に参加しており、私たちは、こうしたエンゲージメントから得られる情報を、共通の調査プラットフォームを用いて互いに共有しています。私たちは、この内部プラットフォームを通じて、ファンダメンタルズ調査、クレジット調査、定量調査およびESG調査の各チームが個別企業に付与する格付けを、企業の経営陣との面談におけるエンゲージメント記録とともに共有することができます。このように高水準の透明性と全社にわたる情報共有は、投資先企業の継続的なモニタリングおよび当該企業との対話を容易にすると同時に、モニタリングおよびエンゲージメント活動を優先し、専念することに役立ちます。

エンゲージメントの話題例として、事業戦略や資本構造に加え、環境規制や従業員の研修・能力開発、マネジメント層の後継者育成計画など企業の長期的な成功に関連する重要なESG問題などが挙げられます。私たちは、企業の経営陣との対話において、当該経営陣の考え方や取り組み方について聞き、改善できる方法に関してフィードバックを与え、得た情報を私たちの調査や格付けに取り入れます。私たちは、各企業をその業種および自国市場の競合他社との対比で評価すると同時に、分析にあたり、特に当該企業による地域のコーポレート・ガバナンス・コードの遵守に注目します。例えば、企業が現地のコーポレート・ガバナンス・コードを遵守していない場合 、当該企業の長期的な成功に及ぼし得る影響を評価し、エンゲージメントや議決権の行使において、経営陣に問題を提起することがあります。

原則 4

機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

私たちは、「エンゲージメントに関する方針書」を策定し、ウェブサイトに掲載しています。 エンゲージメントは私たちの投資哲学の根幹をなすものであります。私たちの長い歴史における卓越したリサーチ力と各業種における専門知識が、企業との有意義な双方向の対話を促進しています。年間1万社以上の企業と行う面談から得られる情報が投資判断の参考となり、債券および株式の投資リターンに貢献しています。

企業の経営陣とのエンゲージメントは私たちの受託者責任の一環であり、意見書の作成や公式声明をはるかに超えた意義のあるものです。ウエリントン・マネージメント・グループのエンゲージメントは、主に建設的な対話を通じて行われます。長期的な問題について会社の経営陣や取締役会とフィードバックを共有することが、エンゲージメントです。経営戦略、財務・業績とリスク、資本構造、ESGおよびサステナビリティ(持続可能性)を含めた様々な課題を、企業の経営陣と直接対話するエンゲージメント活動は、私たちの運用プロセスの中核と言えます。

私たちが毎年作成し、ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート(日本語抄訳)」(以下「SIレポート(日本語抄訳)」)は、ESG調査チームが行う投資先企業とのエンゲージメントや、前年度に行った議決権行使をまとめた統計データを記載しています。同レポートは、株主価値を保護および強化する意図をもって発展させるであろう私たちの活動の状況を追加で例示するエンゲージメントのケース・スタディも記載しています。

原則 5

機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

私たちは、多くの場合、お客様の口座で保有する株式の議決権行使について裁量権を認められています。私たちは、議決権行使の責任を真剣に受け止めています。私たちは、確たる方針と手順に従って、各総会に関する情報を収集・分析し、私たちの「ガイドライン」を正しく適用し、議決権を行使しています。

方針および手順は、「方針書 」および「ガイドライン」に規定されています。

私たちは、株主たるお客様の最善の利益のため、保有株式の経済価値を最大化すると考える方法で、議決権を行使します。重要な点として、経営陣を支持する議決権行使や外部の議決権行使サービス提供会社の推奨に従った議決権行使を自動的に行うことはありません。私たちは、自社の「方針書」 および「ガイドライン」に従って議決権を行使し、外部のサービス提供会社に議決権行使に関連した事務の遂行を委託しています。「ガイドライン 」は、議決権行使に関する一般的な指針を定めていますが、私たちは各議案の利点を個別に評価します。ESG調査チームは、各議案を検討し、株主権または当該企業の株式の現在もしくは将来の市場価値に悪影響を及ぼすと考える提案には反対することを推奨します。ESG調査チームは、議決権行使の推奨を行いますが、お客様の口座を運用するポートフォリオ・マネジャーは、重大な利益相反がない限り、最終的に行使を決定する権限を有します。各ポートフォリオ・マネジャーは、お客様のポートフォリオで保有する株式の長期的な価値の最大化を目的として、各議案を検討し、議決権を行使します。

さらに、「ハウス・ボート(全社的な統一行使義務)」はありません。私たちの議決権行使体制では、同じ株式につき異なる議決権行使を行うことが認められています。私たちは、ポートフォリオ運用チームの集合体として組織されています。各運用チームは、それぞれ独自の投資哲学や運用手法、想定投資期間を有します。この体制の下、同じ株式を保有する各ポートフォリオ・マネジャーは、議決権行使に関しそれぞれのお客様のために異なる結論に至ることがあります。

ウエリントン・マネージメント・グループは、議決権行使に際して社外の機関による行使助言や投票決定に左右されることはありませんが、ISS、グラス・ルイスなど、様々な議決権行使助言会社や調査会社からの調査サービスを利用しています。私たちは、電子受領書の受け取りや投票の実行を容易にするため、議決権行使助言会社が提供する電子投票プラットフォームを利用しています。

私たちは、2018年よりウエブサイトにおいて年次で議決権行使情報を公表しており、2020年6月(年次総会の時期)から、企業との建設的な対話の観点から重要だと考えられる議案に対する議決権行使理由を開示していきます。また、私たちが毎年作成し、ウェブサイトに掲載している「SIレポート(日本語抄訳)」は、ESG調査チームが行う投資先企業とのエンゲージメントや、前年度に行った議決権行使をまとめた統計データを記載しています。

ウエリントン・マネージメント・グループは、1社または複数のお客様のために議決権を行使できない場合や、議決権を行使しない判断を行う場合があります。例えば、議決権行使の対象となる株式がお客様の貸株プログラムの下で貸し出されている場合、議決権を行使できないことがあります。このような場合、私たちは、一般的にいつ貸株がなされたか、そのために議決権を行使できないことを把握することができません。貸株の回収は常にできるわけではありませんが、可能な場合、私たちはお客様に対し、議決権行使が行えるようにカストディアンを通して当該証券を回収するよう推奨することがあります。その他に、私たちは、行使コストが行使による利益を上回る場合に議決権を行使しないことがあります。例えば、株主が議決権を行使するためには、取引が制限される国や、ファンドで保有する株式の再登録が義務付けられている国では、通常、議決権を行使しません。このような場合に議決権を行使するか否かを判断する際には、流動性に及ぼしうる影響を含め、当該要件の影響を評価します。

原則 6

機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

私たちは、多くの場合、お客様の口座で保有する株式の議決権行使について裁量権を認められています。私たちは、議決権行使の責任を真剣に受け止めています。私たちは、確たる方針と手順に従って、各総会に関する情報を収集・分析し、私たちの「ガイドライン」を正しく適用し、議決権を行使しています。

ESG調査チームは、調査やエンゲージメント、議決権行使を容易にするため、ESGに関する企業格付けの詳細な記録や、経営陣との対話記録、最近の公開討論の通知記録、過去の議決権行使の内容を保管しています。議決権行使やエンゲージメント活動の概要は、最近のエンゲージメント例を含め、グローバルESG調査アップデートに記載されます。私たちが毎年作成し、ウェブサイト に掲載している「SIレポート(日本語抄訳)」は、ESG調査チームが行う投資先企業とのエンゲージメントや、前年度に行った議決権行使をまとめた統計データを記載しています。

また、お客様のために行った議決権行使の内容を定期的に開示しています。議決権行使の記録には、銘柄名、総会日、議案毎の行使結果(賛否)が含まれます。

議決権行使プロセスの日常業務は、ESG調査チームおよびポートフォリオ・サービス・チームが責任を負います。

原則 7

機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

前述のとおり、ウエリントン・マネージメント・グループには、独自のファンダメンタルズ調査を長期にわたり行ってきた歴史があります。投資先企業に関する深い知識を維持し、ESGおよびサステナビリティ(持続可能性)要因を含む多様な話題に関して当該企業の経営陣と直接エンゲージメントを行うことは、常に投資プロセスの中核をなしてきました。私たちは、投資先企業の経営陣との直接またはオンラインの面談や、当該企業の仕入先、顧客、競合他社への接触などを通じて企業調査を行っています。

私たちは、アナリストとポートフォリオ・マネジャーがスチュワードシップ責任を果たすように支援するため、ESGの専門家で構成される専任の調査チームを当社調査部門に設置しています。当ESG調査チームは、企業やセクターに固有のESG要因を調査し、その分析を提供するほか、ESGの話題に関して投資先企業の経営陣と直接対話を行います。同チームは、年間5,000回以上の株主総会で議案の分析と議決権行使を行うと同時に、ポートフォリオ・マネジャーと共にポートフォリオをレビューし、ESGに関するリスクと投資機会が最も大きい保有銘柄を特定します。ウエリントン・マネージメント・グループは、毎年、世界中の企業の経営陣と1万回以上の面談を行います。ポートフォリオ・マネジャー、産業アナリストおよびESGアナリストは、いずれも企業との継続的な対話に参加しており、私たちは、こうしたエンゲージメントから得られる情報を、共通の調査プラットフォームを用いて互いに共有しています。

私たちは、多くのESG関連投資家ネットワークとも協調しています。私たちは、国際連合の責任投資原則(PRI)、PRI信用格付けにおける ESG に関する声明、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に署名しています。また、低炭素経済推進イニシアチブ(TPI)へ参加しています。その他にも、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、Ceres(環境に責任をもつ経済のための連合)の気候変動リスクおよびサステナビリティに関する投資家ネットワーク、英国の上場企業の投資家を代表する団体であるインベスター・フォーラム、Climate Action 100+に参加しています。さらに、英国スチュワードシップ・コード、FSC Standard 23(オーストラリア版スチュワードシップ・コード)、香港責任投資原則および日本版スチュワードシップ・コードに署名しています。米国の機関投資家向けにスチュワードシップとコーポレート・ガバナンスに関する原則を制したInvestor Stewardship Group(ISG)の設立メンバーでもあり、国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)、アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)、グローバル不動産サスティナビリティ・ベンチマーク(GRESB)およびグローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)にも加入しています。

私たちは、エンゲージメントや企業との対話を通じた議決権行使、ESG関連のネットワークや取り組みへの参加などを通じて自身のスチュワードシップ活動を定期的に自己評価いたします。私たちが毎年作成し、ウェブサイト に掲載している「SIレポート(日本語抄訳) 」は、ESG調査チームが行う投資先企業とのエンゲージメントや、前年度に行った議決権行使をまとめた統計データを記載しています。また、日本スチュワードシップ・コードの原則に照らして活動を評価した「スチュワードシップ活動の自己評価 」を毎年発行しており、ウェブサイトに掲載しています。