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ジーン・ハインズ
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昨年の新年のご挨拶では、アクティブ運用の未来に向けて、そしてお客様の変化するニーズに対して、当社がどのように進化を遂げているかについてお伝えしました。具体的には、成長するオルタナティブ市場における提供商品の拡充、複数の戦略を組み合わせて世界レベルの実用的なソリューションを構築する能力の強化、機関投資家市場とグローバル・ウェルス・マネジメント(富裕層向け資産管理)市場の両方にサービスを提供するための適切なリソースの確保、といった取り組みをご紹介しました。
当社はアクティブ運用会社として2世紀目を迎えようとしています。そこで今年は、運用能力を向上させるための投資や、お客様が現在の市場環境とそれぞれの長期的な課題・目標の両方に対応するのをどのように支援しているかについて最新の状況をご報告したいと思います。以下では、「人工知能(AI)が投資に与える影響」、「株式と債券の資産配分に対する見方の変化」、「伝統的資産とオルタナティブ資産の融合」、「全社的な人材とツールの拡充」という4つの主要テーマに焦点を当ててお話しします。
AIは人々の働き方を変えつつあり、生産性と成長を高める可能性を秘めています。同時に、データセンター支出の急増、収益化までのタイムライン、公開・非公開市場への影響など、様々な疑問も生まれています。当社の運用担当者は的確な判断を下すことに徹底的に注力しており、そのために深いリサーチ、チーム間の連携、豊かでバランスの取れた対話、重要な問題に関する活発な議論を活用しています。こうした議論は、ポートフォリオにおけるテクノロジー関連銘柄のウェイトをどうすべきかの判断(市場はAIの影響を過小評価していないか?)から、AIインフラの資金源として拡大するクレジット市場の役割(投資家は、複雑になりがちな資金調達構造をどう捉えるべきか?)まで、多岐にわたります。
また、AIは投資運用の実務そのものも変えつつあります。ウエリントンでは、イノベーション、生産性、お客様への価値提供を促進するために、AIを「いつ・どこで」活用すべきかを積極的に評価しています。当社は投資プロセスにおけるAI活用の可能性に大きな期待を寄せており、社内に蓄積された知識を活用し、新たな知見を生み出すのに必要なテクノロジーとデータ基盤への投資を行っています。
当社は、人間ならではの専門知識とマシンインテリジェンスの融合が、勝利の方程式になると考えています。AIはアイデアの創出、効率性、ポートフォリオの構築、リスク管理を強化することができます。しかし同時に、当社のビジネスは判断力、創造性、共感、そしてシンプルでありながらも極めて重要な「耳を傾ける力」といった、人間特有のスキルに引き続き根ざしていくことになるでしょう。当社はこうした見解を反映し、卓越したテクノロジーと人間のスキルの両方を重視する企業文化を育むことで、安全かつ効果的にAIの活用を拡大し、お客様のために追求する成果をより確かなものとすることに努めています。
過去1年には、当社はお客様の株式および債券への資産配分の強化を支援することに熱心に取り組みました。このテーマは2026年も続くと予想されます。
株式投資においては、市場の集中度に対する懸念、ボラティリティの上昇、国・地域間格差の拡大を背景に、株式のコア配分を見直すことに対するお客様の関心が高まっています。2025年に世界の多くの市場が好調なパフォーマンスを見せたことや、欧州、日本、およびその他のグローバルな投資機会に再び注目が集まっていることを受けて、ポートフォリオをどのように構築すべきかが改めて検討されています。また、お客様はポートフォリオにどのような種類のアクティブ・リスクを取り入れるべきかを慎重に吟味しており、持続性があり説明可能で、かつ分散効果のあるアルファの源泉を求めています。
市場全体の長期的な期待リターンはより控えめになるかもしれませんが、現在の環境は、様々なスタイル、セクター、地域でアルファを特定し、獲得できるアクティブ投資家にとって、ここ数年で最も魅力的な投資機会の一つを提供していると考えられます。当社のストラテジストが「2026年の株式展望」で注目している主なテーマとしては、超大型株以外への利益成長の広がり、欧州と日本の国内主導型体制への移行、新興国市場の復活の可能性などが挙げられます。
このような状況で、当社は拡充が進むエクステンション戦略(相互補完的なファンダメンタル運用とシステマティック運用を含む)、グローバル株式と地域株式の幅広い運用能力、革新的なヘッジファンドのラインナップ、カスタマイズされたダウンサイド・プロテクション・ソリューションを通じて、お客様がより優れた強靭な株式ポートフォリオを構築できるよう支援しています。当社のプラットフォーム全体で、ベンチマークを意識したキャパシティ(運用容量)効率の高いコア戦略から、大規模なアルファの追求を目的とした確信度が高く制約がないソリューションまで、アルファを追求する能力を強化しています。こうした多角的なアプローチにより、お客様は目標とするリスク、リターン、相関性に合わせて、ポートフォリオを自在にカスタマイズすることが可能になります。
債券に関しては、目下のキーワードは「選別(セレクティビティ)」です。例えばクレジット市場では、多くのセクターでバリュエーションが高くなっているものの、当社の債券運用チームは、忍耐強く規律ある投資家には依然として投資機会があると考えています。また、国債市場についても、同チームは、債券が資産保全、インカム創出、分散効果という本来の役割を果たせると引き続き確信していますが、慎重な国別配分とイールドカーブ上のポジショニングが極めて重要になるとみています。
当社はこうした環境でこそアクティブ運用の真価が発揮されると考えており、マルチセクター・クレジット、制約のないオポチュニスティックな戦略、トータルリターン重視の戦略など、多種多様な投資アイデアと戦略を通じてお客様を支援しています。プライベート・クレジットも、投資適格の私募債や商業用不動産ローンといった分野を中心に、お客様との債券運用に関する多くの取り組みにおいて中核的な存在となっています。
現在では、当社がサービスを提供している機関投資家市場とウェルス・マネジメント市場のお客様はいずれも、「伝統的資産」と「オルタナティブ資産」を2つの独立した別々のカテゴリーとしてではなく、一つの包括的な投資機会の集合体として捉えるようになっています。これは、伝統的な60/40の資産配分モデルの終焉を意味するものではありません。利用可能なあらゆる投資ツールを駆使する形で、このモデルが自然に進化しているのです。つまり、公開市場と非公開市場の間、あるいはロング・オンリー戦略とロング・ショート戦略の間で、最適化を図る機会を追求するということです。
結局のところ、アクティブ運用会社である当社にとって、このような変化の本質は、お客様のために「アルファが存在する場所」に機動的にアクセスできる柔軟性を持つことにあると考えられます。その投資機会は公開市場にあるかもしれませんし、非公開市場、あるいはこれら2つの市場が交差する領域にあるかもしれません。こうした傾向は、例えば、当社が受託している保険会社の資産運用に見て取れます。保険会社は通常、大規模な長期クレジット・ポートフォリオを保有していますが、投資適格の公募債とプライベート・クレジットをどのように組み合わせるべきかについて、助言を求めるお客様が増えています。
当社はあらゆる資産クラスにおいてお客様のニーズをサポートできるよう、自社の経験やスキルセットと合致する分野で、プライベート投資の能力を引き続き強化しています。最近の例としては、「プライベート不動産クレジット・プラットフォーム」の構築が挙げられます。これは、債券と上場株式を通じて30年にわたり商業用不動産に投資してきた当社の歴史をさらに発展させるものです。また、ベンチャーおよびグロース・エクイティへの柔軟性の高い機関投資家レベルのアクセスを求める、ウェルス・マネジメントや機関投資家のお客様の需要の高まりに応えるため、「ベンチャー・グロース・エバーグリーン・プラットフォーム」も立ち上げました。
当社がウェルス・マネジメントの分野において、投資ツールのすべてを動員して取り組む姿勢は、バンガード社およびブラックストーン社との提携にも表れています。この提携は、個人投資家が機関投資家レベルの投資機会にアクセスする方法を根本的に変えることを目指しています。当社は50年にわたりバンガード社と密接に連携しており、ブラックストーン社の能力もかねてより高く評価してきました。現在、3社は共同で、公開資産と非公開資産、さらにはアクティブ運用とインデックス運用をシームレスに統合したソリューションの構築・提供を推進しています。
また、30年以上前に構築した当社のヘッジファンド・プラットフォームについても最近、数年にわたる投資と再編を完了しました。このプラットフォームは単一戦略型のファンドから本格的なマルチ戦略プラットフォームへと進化を遂げ、株式ロング・ショート戦略とマクロ・クレジット戦略の2つの領域の専門家チームが運用を主導しています。新たな枠組みは、伝統的な60/40ポートフォリオの分散効果を高めるための多様なヘッジファンド戦略の活用など、現在の投資家の目標により合致したものとなっています。
これらすべての分野でお客様のために成果を上げるには、適切な場所に適切な人材を配置する必要があります。過去1年に入社した人材の経験とスキルは非常に心強いものです。例えば、グローバル産業調査、ウエリントン・ソリューションズ、株式・債券運用、プライベート投資、ヘッジファンドの各部門に機動力のあるデータ駆動型の思考を持つ人材を迎え入れたほか、営業グループとテクノロジー・グループに主要なビジネスリーダーが加わりました。また、運用担当者の育成・研修プログラムという当社の強固な基盤もさらに発展させています。具体的には、「インベストメント・エクセレンス」部門を新設しました。これは、インベスター・デベロップメント(運用担当者育成)チームとリスク&パフォーマンス・ストラテジー・チームを統合したもので、定量的・定性的ツールとコーチングを組み合わせることで、運用担当者がお客様のために魅力的なリスク調整後リターンを創出できるよう支援することを目的としています。
最後に、現在のみならず将来においても、各顧客チャネルに最も適した方法や投資形態(ビークル)で運用ソリューションを提供できるよう、ツールやインフラの拡充に注力し続けています。お客様の間での「アクティブETF」の成長を支えるのに必要なテクノロジーとオペレーション能力の強化に取り組んでいるほか、ブロックチェーン技術やトークン化ファンドの分野でも、業界で最も影響力のある実証実験のいくつかに参加しています。例えば2025年には、パートナーであるファンドブリッジ社およびリベアラ社と協力し、当社初のトークン化投資商品「ULTRA」の導入に成功しており、そのサブアドバイザーを務めています。これは、イーサリアムとソラナのブロックチェーン上で取引されるトークン化された米国債ポートフォリオです。当社のチームは、純資産価値(NAV)を継続的に算出する堅牢なソリューションを開発し、それにより24時間体制の価格設定が可能となり、夜間・週末の解約や二次市場での取引もスムーズに行えるようになっています。
ブロックチェーン技術は、世界的に明確な規制整備が進んでいることを追い風に、2026年には飛躍的なペースで普及すると考えられます。また、トークン化ファンドは、小口化(最低投資額の引き下げ)、即時決済、流動性の向上、プライベート・エクイティやプライベート・クレジット商品へのアクセス改善といったメリットを持つことから、機関投資家と富裕層のお客様の両方に恩恵をもたらす可能性があるとみられます。
お客様のために卓越した運用成果を追求し、何百万人もの受益者の人生にプラスの影響を与えること。それが当社のミッション(使命)であり、パーパス(存在意義)です。私は、当社が今後もこの使命を果たし続けられると確信しています。なぜなら、資産運用の未来に向けて着実に歩みを進めているだけでなく、その根底に強固で揺るぎない土台があるからです。
こうした土台には、あらゆる主要な資産クラスにわたる幅広いアクティブ運用能力や、それらを組み合わせてお客様のニーズに応える的確なソリューションを構築してきた豊富な経験が含まれます。また、800名を超える投資専門家を擁する強力な運用体制、当社の競争優位性と考えられる協調的で協力的な企業文化も、その土台を支えています。そして、これらすべてを可能にしているのが、お客様の長期的な成功を最優先する姿勢を揺るぎないものにする、プライベート(非公開)パートナーシップという独自の組織形態なのです。
新しい年を迎えるにあたり、皆様とご家族のご多幸を心よりお祈り申し上げます。皆様のニーズの変化や、当社がどのようにお役に立てるかについて、ぜひお話しさせていただければ幸いです。全社員を代表し、皆様の大切な資産を運用する機会をいただいていることに、深く感謝いたします。
ジーン・ハインズ