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サステナビリティ・レポート 2022

2024-09-30
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ウエリントン(以下、当社)の全社的な目標は、お客様への卓越した資産運用の提供を追求し、何百万人もの受益者にプラスの影響(インパクト)を与えることです。目標達成までのプロセスは知的好奇心と投資規律に基づいており、サステナビリティ(持続可能性)はそのプロセスにおいて不可欠な要素です。当社はサステナブル投資(SI)での優位性を確立する手段として調査とエンゲージメントを重視。信頼性の高い未来志向のアプローチを基に、競争力のある投資成果の実現をめざしています。サステナビリティに関する課題は、政策当局、市場参加者、消費者にとってますます大きな関心事になっています。当社はこうした構造的圧力が経済や資本市場をより良いものへと変えていくと考えており、そこから生じる潜在的な金融リスクや機会の特定に努めています。

当社の運用、営業、インフラの各プラットフォームにおけるサステナビリティへの取り組みは進化し続けています。本レポートでは、 2022年のハイライトを紹介するとともに、サステナビリティへの取り組みが英国スチュワードシップ・コードの要求事項とどのように整合しているか、その概要をまとめています。2022年には、SIチームおよびSI運用商品の対象を、従来の上場市場の株式・債券から、オルタナティブ市場やプライベート市場にまで拡大しました。SIの投資機会が増えるのに伴い、調査、専門的なツールや指標、エンゲージメントの必要性も高まっています。当社は 2022年を通じて気候リサーチを強化し、ウッドウェル気候研究センター(以下、ウッドウェル)との気候科学分野での協力関係を深化させるとともに、共同調査の対象を生物多様性に拡大しました。気候変動の移行リスクをさらに研究するために、米国マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)「地球規模の変化に対する科学と政策のジョイントプログラム(Joint Program on the Science and Policy of Global Change)」と気候変動に関する共同調査も開始しました。また、戦略的なアセットオーナーであるお客様数社と連携し、ウエリントン気候リーダーシップ連合(WCLC)を正式に発足させました。

2022年には、気候リサーチへの取り組みが評価され、エンバイロンメンタル・ファイナンス誌(Environmental Finance)の「ESG イノベーション・オブ・ザ・イヤー・アワード(ESG Innovation of the Year Award)」を受賞しました。当社のサステナブル・インベストメント・ヘッドのウェンディ・クロムウェルは気候関連金融リスクアドバイザリー委員会に加わり、イエレン米財務長官が議長を務める金融安定監督評議会(FSOC)に参加しました。当社は「グローバル・リアルエステート・エンゲージメント・ネットワーク(GREEN)」のメンバーにもなりました。GREENは不動産業界に対して、炭素排出量を削減し、気温上昇を 1.5℃に抑える科学的根拠に基づく目標への進捗を管理することで、気候変動による金融リスクと非金融リスクへのエクスポージャーを減らすよう働きかけています。これらの活動は長期的な価値創造につながると考えます。また、発行体の脱炭素化への取り組みの進捗を評価するために独自の移行リスクに関する格付けを開発しました。「ネットゼロ・アセットマネジャーズイニシアチブ(Net Zero Asset Managers Initiative(NZAMI))」への参加も継続しております。同イニシアチブには 2022年 12月 31日時点で世界の 301企業・団体が署名し、運用資産総額は 59兆米ドルに上ります。

当社はインパクト投資への取り組みを深化させ、新興国に焦点を当てたアプローチを開始しました。同時に、インパクト測定管理(IMM)プラクティスとフレームワークを拡大し、投資テーマやインパクト投資のセオリー・オブ・チェンジ(Theory Of Change(TOC): 投資先を決めるだけでなく、投資を通じてどのような社会の変化をもたらしたいかを定義すること)に役立てています。

加えて、当社自身のコーポレート・サステナビリティ(企業活動の持続可能性)も見直しており、そのアプローチを進化させようと努めています。これからもサステナビリティの取り組みを継続し、お客様と連携してお客様の目標達成を支援していきます。当社はサステナビリティへの配慮が金融市場に影響を与えていると考え、お客様がこうした変化を乗り切ることをサポートするとともに、調査、エンゲージメント、継続的な学びへのコミットメントを通じて卓越した運用成果を実現できるよう引き続き努めます。

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ジーン・ハインズ

最高経営責任者(CEO)
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ウェンディ・クロムウェル

サステナブル・インベストメント・ヘッド