2023年CEO年頭挨拶

変化の先にある将来を見据えて

2024-01-30
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2022年のような年を経験したことがある資産運用会社は数少ないでしょう。世界の経済と市場は、2年以上に及ぶ新型コロナウイルスの感染拡大の混乱からようやく立ち直ろうとしている矢先に、ウクライナ紛争、高インフレ、主要中央銀行による積極的な金融引き締めに直面しました。これらの影響で株式と債券が同時安に陥る異例の事態が発生しました。

ウエリントンでの30年以上のキャリアで、私は大幅な市場下落を5回経験しました。それらから得た教訓の一つは、それぞれの事象はまったく異なり、資産運用会社とその顧客への影響も様々であったことです。

これらを踏まえ、皆様への新年のご挨拶として、ウエリントンの考えをいくつかご報告いたします。

マクロ経済環境は一夜にして変わらず、新たな投資ソリューションが必要となる

ウエリントンのマクロストラテジストが数カ月前から強調しているように、過去10年間の「イージーマネー」の終焉から、地政学的な緊張の増大を受けたグローバル化の巻き戻しに至るまで、世界経済は根本的に変化しています。今後は構造的かつ不安定なインフレ圧力に加え、各国の政策決定やその経済効果の格差、株式と債券市場の正の相関の長期化、資産クラス間でのパフォーマンスの格差拡大などが予想されます。

このような投資環境下、多くのお客様が受益者に対する長期的な責任をどのように果たすべきかアドバイスを求めています。私は昨年末、25日間に渡り8カ国を訪問しました。多くのお客様に共通していたのは、プライベートエクイティ、プライベートデット、リキッド・オルタナティブ投資、集中投資、革新的なサステナブル投資など、より差別化された投資機会と収益源泉への関心の高さでした。

この先、構造変化が進み、ボラティリティーが上昇する市場環境の中で、これまでのような安定した市場リターンを期待するのは難しくなるでしょう。そのような投資環境下、資産クラスを問わず、深い洞察力と長期の視点に基づくアクティブ運用の役割が一層大きくなると考えます。

昨年執筆した記事「変化を促す資本の力」で述べたように、私は希少疾患の治療から気候変動問題の緩和策および適応策に至るまで、現代が抱える喫緊の課題解決の糸口になるであろう科学の知見と資本に裏打ちされた「イノベーションの力」に注目しています。

将来に向けて、長きにわたりお客様を支援できる体制を整える

昨年の厳しい市場環境下でも、私たちは世界各地で人への投資を続けてきました。リサーチと運用チームの強化と体制の拡充、複雑化する投資環境を評価する新たな運用ツールやテクノロジーの整備などに取り組みました。

例えば、プライベートエクイティ・チームの増強、プライベートデット部門の立ち上げ、リキッド・オルタナティブ投資の多様化など、オルタナティブ投資分野の人員・体制拡充を積極的に進めています。市場の混乱局面は投資収益を見出す好機でもあります。このような投資機会を十分に活用できるよう、伝統的な資産クラスとオルタナティブ投資の両方を通じ、お客様を全力でサポートしていきます。

また、世界的なサステナビリティへの関心の高まりは金融市場を根底から変えていく可能性があります。ウエリントンでは、ポートフォリオ・マネジャーが世界中の企業および政府の気候関連の活動や政策、経済効果、投資収益への影響をより深く理解するために必要なテクノロジーとデータにも投資しています。私たちは、これらのデータを利用して企業や政府と積極的にエンゲージメントを行う(2022年には1万5,000回以上実施)と共に、投資先企業や発行体の価値評価にサステナビリティの要素を組み込んでいます。

ウエリントンのプライベート(非公開)パートナーシップ制を継承するビジネスモデル、世界最大級の運用資産規模、健全な財務基盤は、あらゆる投資環境でもお客様への受託者責任を第一に考え、資産運用業務に専念する体勢を支えています。そして、信頼できる革新的なパートナーをめざし、お客様の多様なニーズに迅速にお応えしていくことを可能にします。

私はポートフォリオ・マネジャーとして、長年多くの経営者の挑戦を見守ってきました。中でも最も尊敬する人々は、状況が変化したときに進んで方針・戦略を転換させ、不確実な中でもチャンスを活かす意志を持っていました。ウエリントンもそうありたいと考えます。

私たちは、お客様に長期的に優れた運用成果を提供するため、多様性、公平性、包摂性に関する様々な施策を継続的に推進しています。資産運用業界には改善の余地があり、多岐にわたる経験や視点を持つ人々が集まれば、チームワークと成果の向上につながる意識が高まっています。多様性に富んだ包摂的なチームは、世界中で次世代を担う優秀な人材を惹きつけ、資産運用のプロフェッショナルの育成面でも大きな役割を果たすでしょう。それは、私たちが暮らし働く地域社会に対する価値観やコミットメントとも合致しています。

 

最後になりましたが、日頃よりウエリントンに格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。このような時代だからこそお客様を第一に考え、引き続き、期待と信頼にお応えすべく運用成果と資産運用サービスの提供に尽力してまいります。

皆様とご家族のご健勝とご多幸を祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

 

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ジーン・ハインズ
ウエリントン・マネージメント
最高経営責任者(CEO)

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ジーン・ハインズ

最高経営責任者(CEO)